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サクラの季節が終わってしまった‥‥ [日々のつぶやき]

年度末の慌ただしさを引きずったまま5月になってしまいました。
今年は春先に気温の低い日が続いたせいか、サクラの開花が遅れました。
サクラの代表種であるソメイヨシノだけでなく、サトザクラ類の開花も遅れました。
サトザクラとは、オオシマザクラから改良された栽培品種群のことを指すのですが、
一般には重弁(八重咲き)の栽培品種の総称として、ヤエザクラと同じ意味に用いられます。

080423関山.JPG
これは最も目にすることの多い品種、カンザン(関山)です。
遅咲きの品種で、今年はGWまで咲き残っていました。
花の色が濃く重たい印象があることから、あまり好きではないという声も耳にします。

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これは早咲きの品種、イチヨウ(一葉)です。
早咲きとはいっても、ソメイヨシノが満開の頃に、ようやく咲き始めます。
1本ある雌しべが葉状に変化しているので、この名があります。

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これはサトザクラではないのですが、お気に入りの品種、
ソメイヨシノと同じ頃に咲くヨウコウ(陽光)です。
花弁が大きくて花つきがよく、やや紫色を帯びたピンクの花は明るく華やかで、
ソメイヨシノを背景に咲くと、ひときわ引き立ちます。

かくして今年はもう、サクラの花の季節は終わりなのですが、
この春は何かと慌ただしくて、あまり花を見に出かけられなかったなぁと、
残念に思っているところです。

でもまた季節が変われば、それぞれの季節の花や生きものを追いかけて‥‥
これをもう何年、いや何十年も繰り返してきているのですが、
何だかこれでいいのかなと。
きっと自分の中に蓄積されていくもの、そして更新されていくものが増えていると、信じていよう。
齢50を前にしたつぶやきでした。


緑生研究所の詳細はコチラ
http://www.ryokusei-ri.co.jp/
緑生研究所は、日本経団連の生物多様性民間参画パートナーシップに参加しています。

担当:田中

「ダイバーシティー」と「バイオ・ダイバーシティー」 [日々のつぶやき]

最近、「ダイバーシティー」というカタカナ語を時折目にするようになりました。
ビジネス用語なのだそうです。みなさんご存じですか?
生物多様性(バイオ・ダイバーシティー)を考える(株)緑生研究所計画部としては、この言葉にビビッとこないわけにはいきません。

「ダイバーシティー」とは、企業において、性別や年齢、性格、価値観など、社員個々人の違いを尊重し、多様な人材の能力を活かして組織のパフォーマンスを高めていくことだそうで、そのような組織づくりはダイバーシティー・マネジメントと呼ばれています。最近では、CSRの一環として、ダイバーシティー・マネジメントに取り組む企業も増えてきているようです。しかし、元々は人種や宗教が多様なアメリカで発達した考え方であるため、日本的な企業風土にどのように取り込み、より良い企業文化の醸成につなげていくか、これからの課題も多いようです。

さて、私は、この「ダイバーシティー」の推進において、生物多様性(バイオ・ダイバーシティー)に関するさまざまな概念や考え方がアナロジーとして活きるのではないかと思い、ちょっと考えてみました。

生物多様性は、遺伝子の多様性・種の多様性・生態系の多様性という3つのレベルで表され、生き物の「個性」と「つながり」であるとされます。生物の「種」を、会社内における「人」と読み替えると、種の多様性は、人(職種)の多様性であり、遺伝子の多様性は、さしずめ個人個人で異なる価値観や考え方の多様性といったところでしょうか。生態系の多様性は、いわば、さまざまな人が関連し合う組織のありようが多様であること。企業内において、このようなさまざまなレベルの多様性が確保され、「個性」と「つながり」が尊重されると、パフォーマンスは向上するのではないでしょうか。

逆に、「ダイバーシティー」を阻害する要因とは何でしょう? それは、生物多様性国家戦略に示されている生物多様性の「3つの危機」から読み解くことができるのではないでしょうか。生物多様性の「第1の危機」は、乱獲や開発等による種や生息地の減少、いわゆる「オーバーユース問題」ですが、これはいわば、企業内における人的資源の過剰な酷使、オーバーワークといえるでしょう。「第2の危機」は、里山などの手入れ不足による自然の質の低下、いわゆる「アンダーユース問題」ですが、これはいわば、組織内の風通しが悪くなったことによる沈滞と労働の質の低下ではないでしょうか。「第3の危機」は、外来種などの持ち込みによる生態系の撹乱ですが、これはいわば、適材適所を無視した人員配置による組織内バランスの崩壊、といったところでしょうか。このようなアナロジーから、企業内の「ダイバーシティー」を保全するための対応方向が見えてきそうな気がします。

生物多様性が健全に保たれることにより、われわれは4つの生態系サービス(基盤調整供給文化)を享受しています。これと同様に、企業内で健全な「ダイバーシティー」が確立されることにより、強固な経営基盤が形成され、組織の潤滑な調整機能が働き、プロダクトサプライのパフォーマンスが向上し、より良い企業文化が醸成されることでしょう・・・・ウチの会社、生物多様性を武器に経営コンサルに領域拡大できる??(無理無理…)

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担当:伊藤

都市の生物多様性とは? [日々のつぶやき]

先日、国立科学博物館で開催中の生物多様性の企画展を見に行ってきました。

企画展「日本の生物多様性とその保全―生き物たちのバランスの中に生きる―」
(開催期間:5月1日~7月19日)
http://www.kahaku.go.jp/event/2010/05balance/index.html

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世間一般にまだ浸透しているとは言い難い「生物多様性」を説明する上で、
まず導入の「つかみ」をどうするか、日頃悩ましく感じるところです。
そんな職業柄、まず導入部の展示に注目しました。
遺伝子・種・生態系という生物多様性の3つのレベルの説明から入る
オーソドックスなものでしたが、種の多様性の説明として
生き物のフィギュアをコレクション的に並べるなど、
表現に工夫されていました。

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展示の中で個人的に注目したのが、
「都市の生物多様性」というコーナー。
次のような小コーナーで構成されていました。
「今は消えた都心の植物」
「東京都区部から消えた大型蛾類」
「大気汚染と地衣類」
「緑のオアシス・皇居」

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この「都市の生物多様性」という言葉は、
最近よく耳にするように思います。
そこには、時として、生物多様性に対する都市機能の役割を
ポジティブに評価しようというニュアンスを感じることがあります。
(科博の展示にはそのようなニュアンスは感じませんでしたが)
企画展を見ながら感じたのは、「都市の生物多様性」とは、
伝統的な資源利用を通じて培われてきた「里の生物多様性」が
都市化によって劣化した姿に過ぎないのではないか、ということ。

5月に発表された日本版の生物多様性総合評価(JBO)では、
日本の生態系タイプを6つに分類したうちの一つとして、
「都市生態系」が設けられています。
その評価の記述をみると、
「農地や林地などの都市緑地の減少や河川の水質の悪化などにより・・・
過去50年ほどの間に損なわれており、長期的に悪化する傾向で推移」
と結論表記されています。
ここでも、「都市の生態系」とは、「里の生態系」が損なわれた姿という見方が可能です。

「都市性」に対して生物多様性の観点から何か積極的な価値づけができるのだろうか。
そのような価値づけが、昨今の生物多様性ブームの中で求められている側面があるのではないか。
それに答えるには、人と自然との関係性についてパラダイム転換ともいうべき発想の転換が必要ではないか・・・

まだまだ考えていかなくてはいけないようです。

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担当:伊藤

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