季節の話題 ブログトップ

花色の濃い早咲きのサクラ [季節の話題]

2月までは結構寒かったのですが、ここ数日急に暖かくなってきました。
開花の遅れていた、早咲きのサクラの品種も急に咲き始めました。
先程撮影した、調布市役所脇のカワヅザクラ(河津桜)です。
あっと言う間に満開になってしまいました。
調布のカワヅザクラs.jpg

こちらは先日、皇居東御苑で撮影したカンザクラ(寒桜)です。
カワヅザクラよりも、やさしい感じのする花です。
カンザクラs.jpg

こうした早咲きのサクラの品種のほとんどは、よく知られたソメイヨシノやヤマザクラよりも、花の色が濃いという特徴があります。
早咲きの品種は一方の親がカンヒザクラであり、
早咲きという形質だけでなく、花色が濃いという形質も受け継いだようです。
ちなみにカワヅザクラはカンヒザクラとオオシマザクラの交雑個体が起源、
カンザクラはカンヒザクラとヤマザクラの交雑個体が起源といわれています。
ちなみにこれが、カンヒザクラの花です。
カンヒザクラs.jpg

もうひとつ、毎年早咲きのサクラを見ていて感じるのは、
よく鳥がやってきて吸蜜しているという点です。
上野公園で2月末には咲くオオカンザクラ(大寒桜)は、毎年ヒヨドリやメジロで大賑わいです。
これも先日、都内で見かけたカワヅザクラですが、
ヒヨドリが嘴を花粉で黄色く染めながら、夢中で吸蜜していました。
カワヅザクラとヒヨドリs.jpg

実際に蜜の量が多いのかもしれませんが、
まだ昆虫の少ないこの季節には、栄養価の高い花蜜は貴重な食料なのでしょう。


緑生研究所の詳細はコチラ
http://www.ryokusei-ri.co.jp/
緑生研究所は、日本経団連の生物多様性民間参画パートナーシップに参加しています。

担当:田中

真冬日の続く札幌から [季節の話題]

遅ればせながら、
新年明けましておめでとうございます。
皆様は、どんなお正月をすごされましたでしょうか?

年末に風邪で全滅した我が家は人ごみを避けるように、
子供たちと近所の公園へ遊びに行ってきました。
札幌は元旦から真冬日が続き、この日も零下8℃と寒い一日でした。
この時期、公園の遊具は雪で埋もれ、元気な子供たちの遊び場は、
自然と室内に限られる日が多くなります。
屋内施設のある公園は、ちびっこ(2歳)のいる我が家にとってホントにありがたいです。
温度計.jpg

動物たちにとっても、北海道の冬を生き抜くのは大変です。
結氷により行き場を失ったマガモも、どこかあきらめたかのように人々と寄り添う様に休んでいました。
マガモ.jpg

家族サービスのつもりが、大人たちも童心に帰ってチューブそりに乗ってはしゃいだり、動物の足跡を見つけたり‥‥
楽しんだのは大人の方かも?
足跡.jpg

たまにはこんなお正月もいいもんです。
大人がはしゃぎすぎたのか、娘がチューブそりの話をすると、怖かったのか「‥‥やだ」と答えるようになったのはオマケ。


緑生研究所の詳細はコチラ
http://www.ryokusei-ri.co.jp/
緑生研究所は、日本経団連の生物多様性民間参画パートナーシップに参加しています。

担当:北海道支所 今井

密やかに咲く冬の桜 [季節の話題]

 日本人ほど桜が好きな民族もいないと思いますが、桜は日本の心の象徴といっても過言ではないでしう。桜はなぜこれほどまでに愛されるのでしょうか。
 淡い花の色は、日本の風土、景観によく合い、入学式の時季に合わせて咲く桜は、門出の花として親しまれることも理由のひとつでしょう。また、散り際の潔さ、花吹雪の可憐さが日本人の心情に合うからではないでしょうか。
 桜は春を彩る大切な花のひとつですが、晴れた冬空に凜として密やかに小さな花を咲かす冬桜(以下フユザクラ)をご存じでしょうか。
 フユザクラ(Cerasusu×parvifolia‘Fuyu-zakura')は、ヤマザクラとマメザクラの自然交配種とされており、冬と春の2回咲きます。
 冬の花は10月に咲き始め、11月下旬から12月上旬にもっとも多く咲きます。そのあとも花は小さくなりますが少しづつ続けて咲きます。春は4月上旬から中旬ごろに咲きます。
 フユザクラの名所として有名なのが、群馬県藤岡市(旧鬼石町)の桜山にある「三波川の冬桜」で、国の名勝および天然記念物に指定されています。
 フユザクラのある桜山は、古くは「虚空蔵山」と呼ばれ、標高593メールあります。この桜山は、当時の三波川村長が明治41年(1908年)、日露戦争の戦勝を記念し国有地であった山林原野を買収し、山頂を含め約5ヘクタールを整備し公園としたものです。この時にサクラの苗木が植栽されましたが、ソメイヨシノの苗木の中にフユザクラが交じっていました。現在は山頂を中心に約7,000本のフユザクラが植栽されています。
 今はフユザクラの見ごろで、多くの人が花見に訪れています。ライトアップもされていますので、昼間の桜と夜の桜を見に訪れてはいかがでしょうか。

IMGP4399.jpg
フユザクラの花
IMGP4401.jpg
桜山の景観
IMGP4395.jpg
咲きはじめのフユザクラの樹木


緑生研究所の詳細はコチラ
http://www.ryokusei-ri.co.jp/
緑生研究所は、日本経団連の生物多様性民間参画パートナーシップに参加しています。

担当:松本

母校の学園祭に行ってきました [季節の話題]

戸定祭.JPG
植木市の写真ではありません。
我が母校、千葉大学園芸学部祭、戸定祭へ行ってきました。
園芸学部という性格上、野菜や花卉・苗木の販売が名物で、お客さんに家族連れが多いところは、昔のままでした。
野菜.JPG

ただせっかく、昨年100周年を迎え、構内にある歴史ある庭園が再整備されたり、与謝野晶子が来校した折りに詠んだ歌の歌碑が建ったりしたのだから、キャンパスのガイドツアーなどがあってもいいのではないかと感じました。
歌碑.JPG

卒業して四半世紀が経過してしまったのですが、学生時分に鳥を探して歩いた外周林がそのままだったり、実習で枝おろしをしたユリノキや、緑摘みをしたタギョウショウが健在だったり、意外と昔と変化がなくて、懐かしい時間を過ごすことができました。
展示を見たり、球根買ったりしながら学生さんとも少しは話をしたのですが、現在の学生気質というのは、昔と比べて如何なものなのでしょうか。

学外の様子は結構変わっていて、キャンパスに接して戸定が丘歴史公園というのがオープンしていました。
徳川15代将軍慶喜公の実弟で、最後の水戸藩主徳川昭武公の旧邸宅を中心とした公園で、この邸宅は5年前に国の重要文化財に指定されたとのことです。
松戸市内を流れる坂川も、かつてはドブ川だったのですが、今は浄化水が流れてセキショウモの茂る清流になっていました。
やはり四半世紀なりの変化はあるものです。
歴史公園.JPG
坂川.JPG


緑生研究所の詳細はコチラ
http://www.ryokusei-ri.co.jp/
緑生研究所は、日本経団連の生物多様性民間参画パートナーシップに参加しています。

担当:田中

こんなところから種子が出てくるなんて! [季節の話題]

外来種の増加は、既存の生態系をかく乱することから、生物多様性の危機の1つとして「生物多様性国家戦略2010」に位置付けられています。
ここ数年、さまざまな場所でオオキンケイギク(礫河原や海岸などの水辺環境を守るために、外来生物法で特定外来生物二次指定植物に指定されている)を調査する機会があり、毎年6月前後になると、オオキンケイギクを追いかけていました。外来種の増加を防ぐことを日々考えていたためか、急激に増えている外来種のナガミヒナゲシが気になり、今回はナガミヒナゲシを取り上げてみることにします。

ナガミヒナゲシ(Papaver duvium)は、地中海地方原産でアメリカやアジアに帰化している越年生草本で、1961年に東京で見出され、近年各地で道端や市街地に帰化しています(清水ら2001)。
繁殖の旺盛な植物は、“多産(種子を多くつける)”または、“栄養繁殖で増えることが可能”という戦略で増えますが、ナガミヒナゲシは前者で、たくさんの種子を結実して増えています。
ナガミヒナゲシが目につくようになってから、膨れた果実の中に、どれだけ種が入っているのか気になっていましたが、種子の量の多さと小ささを考えると、数えることにだいぶ躊躇していました。しかし、今年は意を決して、1果実あたりの種子の数を数えてみようと果実を採取してみました。

果実を持ち帰ってくると、今まで果実の最上部に1つの穴が開いて出てくるものと考えていた種子は、その少し下の側面の複数の出口から出てきていることに気づきました。結実時は、出口は開いておらず、種子が熟し果実が乾燥するにしたがい、門のような出口が広がり、熟した種子がこぼれ落ちるようになっています。
よくできたメカニズムですね。

ナガミヒナゲシ花Cjpg.jpg
ナガミヒナゲシ花(2011/5/25 東京都調布市)

ナガミヒナゲシ実現地で上から.jpg
ナガミヒナゲシ実 上から撮影(2011/5/25 東京都調布市)

実乾燥前.jpg
乾燥前のナガミヒナゲシ果実
実乾燥後.jpg
乾燥後のナガミヒナゲシ果実(赤矢印が種子の出口、白矢印は種子)

さて、この試みの発端である、種子の数ですが、面倒ながら数えてみました。
ナガミヒナゲシは生育条件によって植物体の大きさが極端に変化することも知られており(清水ら2001)、その果実の大きさは、植物体の大きさによって違っていることは見ためにも明らかでした。今回は、小さめ・大きめの2つの果実を青いうちにとって、乾燥させた後、1果実あたりの種子の数を数えてみました。
ナガミヒナゲシ種子C.jpg

・小さめの果実(乾燥時の果実サイズ:長径14mm、直径4mm) 1084粒
・大きめの果実(乾燥時の果実サイズ:長径20mm、直径8mm) 2608粒
サンプル数も少ないので、単なる目安ですが、あちらこちらに生えているナガミヒナゲシの果実それぞれに1000粒以上の種子が入っていて、ネズミ算のように増えていくとすると、ナガミヒナゲシが急増しているのも納得がいきます。
一方、ナガミヒナゲシの種子の数を数えた人がいないかと、インターネット検索をしていたところ、ナガミヒナゲシを“可憐な花”として種子を集め、「これからどこに播こうかしら?」と書かれているブログを見つけ、かなりショックを受けました。確かにかわいいかもしれませんが、春の風景がナガミヒナゲシ一色になってしまうのではないかと危惧し、あまり増えないでほしいと願っています。

■引用文献
清水矩宏・森田弘彦・廣田伸七(2001)日本帰化植物写真図鑑,全国農村教育協会.


緑生研究所の詳細はコチラ
http://www.ryokusei-ri.co.jp/
緑生研究所は、日本経団連の生物多様性民間参画パートナーシップに参加しています。
担当:宇津木


カワヅザクラ、咲き始めました [季節の話題]

2月となり、平成22年度も残り2か月を切りました。年度末です。
多くの受注業務の納期が2月から3月に集中しているため、この業界にとって最も多忙な時期です。
社内には夜遅くまで、時には朝まで明かりが灯り、それが土曜も日曜も続きます。やれやれ‥‥。

そんな折でも外に目を向ければ、立春を過ぎて陽の光も明るく、
春の事象が目に触れるようになってきました。
緑生研究所のすぐ近くに調布市役所があり、
樹高5m程度のカワヅザクラ(河津桜)が1本植えられていますが、
花の数が少しずつ増えてきました。
カンヒザクラとオオシマザクラとの交雑個体に由来するといわれる、近年人気の早咲き品種です。
この個体は特に開花が早いようで、毎年1月末には咲き始めて、人目を集めています。
カワヅザクラ2.JPG カワヅザクラ1.JPG

また今朝は、調布駅前でハヤブサの仲間のチョウゲンボウが1羽、
鳴きながらハシブトガラスを追い払っていました。
しばらく姿が見えなかったのですが、繁殖期になって今年も戻ってきてくれたようです。
こうした春の事象を心の糧として、年度末の峠を越えていくのです。

緑生研究所の詳細はコチラ
http://www.ryokusei-ri.co.jp/
緑生研究所は、日本経団連の生物多様性民間参画パートナーシップに参加しています。

担当:田中

晩秋のサクラの花 [季節の話題]

「秋桜」と書いて何と読むでしょうか。
昭和52年、さだまさしが山口百恵に提供した楽曲のタイトルに使われたので、
中年世代は「コスモス」と読むことができます。

しかし実際に、秋から冬にかけて花をつけるサクラがあります。
緑生研究所が所在する調布市には、東京都神代植物公園があります。
ここには名花ジンダイアケボノ(神代曙)をはじめ、多くのサクラの品種が植えられており、
秋から冬にかけて花をつける品種も並んで植えられています。
その名もずばりジュウガツザクラ(十月桜)、フユザクラ(冬桜)、
そしてコブクザクラ(子福桜)の3品種です。

このところ好天が続いているので、先日ちょっと覗きに行ってきました。
フユザクラは、あまり花付きがよくありませんでしたが、
淡いピンクを帯びたジュウガツザクラと、小さな八重咲きのコブクザクラは結構花をつけていました。
ジュウガツザクラs.jpg
 ジュウガツザクラ

コブクザクラs.jpg
 コブクザクラ

春霞の空ではなく、澄んだこの季節の空の下に咲くサクラの花は、
ちょっと寂しげではありますが、凛とした風情が好きです。

また神代植物公園では、11月23日まで菊花大会を開催中です。
http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index045.html
盆栽仕立てや懸崖仕立ての菊も見事ですが、
江戸菊、嵯峨菊、丁子菊など、普段なかなかお目にかかれない古典菊は一見の価値があります。
菊花大会s.jpg
 菊花大会
丁子菊s.jpg
 丁子菊

サクラもキクも、こうした園芸品種を産み出し、管理・維持してきた技術というのは、
生物多様性の保全が注目される現在、評価され活用されていくべきものでしょう。


緑生研究所の詳細はコチラ
http://www.ryokusei-ri.co.jp/

担当:田中

茅の輪くぐり [季節の話題]

梅雨の晴れ間が続いていますが、6月には各地の神社に茅の輪(ちのわ)が設けられています。緑生研究所から歩いて15分ほどの距離にある布田天神社に、月例祭の25日に訪れたところ、茅の輪が設けられていました。

布田天神社1s.jpg

茅の輪はその名の通り、茅(チガヤ)を束ねて作られた輪で、この輪をくぐり抜けることによって正月から半年間の罪や穢れを祓い、心身が清らかになることを願うものです。茅の輪の起源は、素盞鳴尊(すさのおのみこと)が旅の途中で出会った蘇民将来(そみんしょうらい)から、「茅の輪を腰につけると疫病から免れられる」と、おしえられたという故事に基づくそうですが、チガヤを始めとする夏草の成長力、生命力にあやかろうという気持ちによるもののようです。

布田天神社2s.jpg

かつてはチガヤやススキの茂る草地=茅場・萱場は、屋根を葺くのに使う材料などを採取する場として、人々の暮らしに身近なものであったのでしょう。現在の茅の輪は、チガヤの代わりに河川敷などで採取しやすいオギやヨシ、また稲ワラが使われることがあるようです。管理が行われなくなって、チガヤやススキの茂るような草地が全国的に減少し、草地環境に生息する動植物の減少が話題になっていますが、茅の輪をチガヤで作るような風習も、すたれず残ってほしいものです。

なお布田天神社では毎月25日に例大祭が行われ、出店が並び骨董市や神楽の上演も行われています。今「ゲゲゲの女房」で話題の町、調布にお出かけの際には立ち寄られてみてはいかがでしょうか。

布田天神社3s.jpg

緑生研究所の詳細はコチラ
http://www.ryokusei-ri.co.jp/


担当:田中


季節の話題 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。