生物多様性をおびやかす特定外来生物-その防除の取り組み [仕事]

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一面の黄色いお花畑。みなさん何の花かお分かりでしょうか?
答えはオオキンケイギクです。
北米原産の多年生草本で、5月~6月にかけて開花します。
花の美しさから、昔は「ワイルドフラワー緑化」等で多用されましたが、
繁殖力が強く、逸出して全国の道路周辺や河川敷等に広がっています。
生態的な影響の大きさから、平成16年に施行された外来生物法に基づいて
平成18年に特定外来生物に指定され、栽培や持ち運び等が原則禁止されました。
違反すると、懲役または罰金に処せられるという厳しいものです。

緑生研究所では、国土交通省国土技術政策総合研究所からの受託により
ここ5年間ほど、河川敷をフィールドとして、オオキンケイギクの防除手法の
調査検討をおこなってきました。
手作業による抜き取り、草刈機による刈り取り、重機による表土のはぎ取りという
異なる管理手法によって、どのような防除効果が得られるかをモニタリングしています。
モニタリング項目は、群落組成、オオキンケイギクの株数やシュート数、実生数、
埋土種子量など、多岐に渡ります。

オオキンケイギク防除の目的は、単にオオキンケイギクを根絶やしにすることではなく、
オオキンケイギクとの競合に敗れ、衰退しつつある在来の河原植物を回復させ、
河原の原風景と本来の生態系を再生することにあると考えています。
実験地では、カワラサイコ、カワラマツバ、カワラヨモギ、カワラナデシコなどの
在来河原植物が生育しており、オオキンケイギクの管理(特に抜き取り)を通じて、
在来河原植物が回復していくことがデータの上でも確かめられています。

DSCN0942.JPG

こちらがカワラサイコです。
初夏から夏にかけて、植被がまばらな礫河原の河川敷で
淡い黄色の可憐な花が風に揺れる様子は、とても風情があります。
このような河原の風景を大切にしていきたいものです。

緑生研究所の詳細はコチラ
http://www.ryokusei-ri.co.jp/

担当:伊藤
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