樹木診断に関する新技術の紹介 [樹木医・樹木診断]

~地上型3次元レーザー計測による樹木形状のモデル化~

樹木の姿、形を正確に把握することは、樹木診断のみならず、樹木の保護や管理を検討するうえで、とても重要なことです。
 特に、枝の1本、1本の形状や張り出している向き、長さ、枝の太さなど、樹形の正確なプローポションが再現できれば、剪定した後の姿などをシミュレーションすることに応用できます。ただし、1本、1本を人力によって全て計測するには膨大な時間が掛かります。また、仮に計測されたとしても、樹木全体のプロポーションを忠実に再現できるとはかぎりません。
 このような問題を解決し、樹木全体の正確なプロポーション再現の実現に向けて、新たな試みがされています。それは、3次元レーザースキャナーを使用し、複数地点からの測定結果を専用ソフトで合成することで、樹木のほぼ完全な形状をモデル化することができるというものです。
 葉の1枚、1枚の明確な形状は把握できないようですが、着生の有無は表現できるようです。また、部分的に拡大すると、幹や枝の形状がリアルに表現されます。3次元モデルなので、360°回転してみることが可能です。
 この技術は、樹木外科手術のシミュレーションや点データをサーフェースモデルに変換することで、重量バランスの推定(倒伏・折損などのリスク評価)等に活用できるとのことです。ただ、データを取得すためには、全体を見渡せる多点計測地点の確保が必須であり、天候にも左右されるため、計測時間の短縮等が課題とされています。
 樹木医学を支えるこうした基礎技術は、とても重要であり、今後めざましい発展を遂げていくものと思います。
3d061.jpg

取得データから生成した立面図     立面図(部分拡大図)
             
樹木医学研究 VOL.14 NO.3; 2010; 樹木医学会より引用

緑生研究所の詳細はコチラ
http://www.ryokusei-ri.co.jp/
緑生研究所は、日本経団連の生物多様性民間参画パートナーシップに参加しています。

担当:松本


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